野球肘の痛みを和らげるストレッチ
野球肘の痛みを和らげるストレッチ
ここでは、野球肘の痛みを驚くほど和らげる、初めてでも簡単にできるストレッチを紹介します。
野球肘の痛みの場所はここです。
ここは上腕骨の内側上顆と呼ばれる所で、前腕屈筋群と肘の内側側副靭帯が着いています。
内側上顆に着く前腕屈筋群には、長掌筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋・浅指屈筋・円回内筋の5つがあります。
その中で長掌筋・橈側手根屈筋・尺側手根屈筋の3つの筋肉は主に手首を曲げる働きがあります。
浅指屈筋は主に指を曲げる働きがあります。
円回内筋は手首を内に捻る動きをする働きがあります。専門的な言葉で回内という動きになります。
肘の内側側副靭帯は上腕骨と尺骨をつないで、ひじの内側を安定させます。
肘の内側側副靭帯は矢印の方向に前腕が動かないように抑える働きがある反面、靭帯の強さを越えて矢印の方向に強く動かされると靭帯自体を傷めてしまいます。
また、靭帯が傷まないで骨を引き剥がしてしまうこともあります。
上記の筋肉や靭帯が付着する内側上顆で炎症が起きる野球肘には、よく起こる3つのパターンがあります。
①・②は骨が成熟した、成人に多く、③は骨が未熟な子供に多いパターンになります。
①前腕屈筋群由来のもの
前腕屈筋群由来のものは、手首の使いすぎによる筋肉の付着部付近の炎症になります。
野球ではいわゆる、手投げなどのフォーム不良や投げ過ぎが原因になります。
このパターンはスポーツ以外の場面でもなることがあります。
前腕屈筋群由来のものは、筋肉の緊張が原因になっていることが多く、筋肉の緊張が緩むと、痛みは落ち着くことも多い為、炎症症状が落ち着いてきたら、ストレッチをしていきましょう。
スポーツは痛みがあるうちはしないほうが治るのは早いですが、絶対にしてはいけないと言うわけではありません。
②内側側副靭帯損傷
内側側副靭帯損傷のものは、投球やテニスのスイング時に肘の内側が引き伸ばされることで、靭帯損傷が起こります。
成人以降のスポーツ選手に多く、フォーム不良によることもありますが、単に使いすぎによるもののほうが多いと思います。
内側側副靭帯損傷にようものは、靭帯が修復するまで、投球などの肘に負担のかかる動きは禁止になります。
しかし、良くなっても、野球を再開すると痛みや不安定感が残ることも多く、競技復帰を目指す場合は手術となることも少なくありません。
③骨の損傷
骨の損傷では、骨が未熟な子供が内側側副靭帯が引き伸ばされるようなことが起こると、子供の靭帯は丈夫で、骨が柔らかいので骨の方を傷めてしまうというものです。
剥離骨折や成長軟骨の損傷になります。
いわゆる、子供の野球肘というのはこの状態が多く、子供の場合は使いすぎもありますが、フォーム不良のことが多いと思います。
骨の損傷の場合はできるだけ早期に投球などの肘に負担のかかる動作を禁止します。
早期に休めることができれば、それだけで治ることが多いですが、禁止するのが遅くなると重症化することもあり、手術の適応となることもあります。
ここでストレッチの適用となるのは前腕屈筋群由来の野球肘です。
子供の場合と成人で競技レベルでスポーツをしている人は骨の損傷や内側側副靭帯損傷のことが多いので、できるだけ早期に整形外科を受診しましょう。
前腕屈筋群のストレッチ
①肘を伸ばし手のひらを上にして手を前にだします。
②反対の手で指を持ち自分の方に引っ張ります。
③そのまま30秒程キープしてストレッチしていきます。
前腕屈筋群のストレッチ その2
別のやり方も紹介します。私的にはこっちのほうがしっかり伸びる感じがします。伸ばしている所は一緒です。
①指先を自分の方に向けて手を床に着きます。
②手のひらを床から離さないようにして身体を後ろに引きます。
③そのまま30秒程ストレッチしていきます。
前腕伸筋群のストレッチ
前腕屈筋群と逆の働きをする前腕伸筋群もバランスを取るために緊張していることが多いので、合わせてストレッチしましょう。
①指先を自分の方に向けて手の甲を床に押し付けます。
②手の甲を床から離さないようにして身体を後ろに引きます。
③そのまま30秒程ストレッチしていきます。
野球肘のテーピング
痛みを我慢して運動をするならテーピングをして少しでも負担を軽くしてあげましょう。
詳しくはこちらhttp://taping8.com/category8/littleleagerselbow.html
野球肘のサポーター(エルボーバンド)
市販のエルボーバンドも有効で、取り外しが簡単なので、スポーツ時はとても有効です。
多少の痛みは感じなくなることも多いので、野球肘のままプレーするなら必需品になると思います。
ただ、締め付ける形になるので、スポーツ時以外は外しておいた方がいいでしょう。
まとめ
テニス肘と同じように治るまでに時間がかかることが多いですが、ストレッチの継続とスポーツをする場合はその後のアイシングをしっかりするようにしましょう。
また、自分のフォームに問題がないかを確認し、あれば修正するようにしましょう。
子供の場合と競技レベルでスポーツをしてる人は早い段階で医療機関を受診することをオススメします。
子供の場合はレントゲンに写るので整形外科を、競技レベルでスポーツをしている方はMRIを取れるスポーツ整形などがいいでしょう。